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港のひと
港のひと・001・創刊号
2001年5月10日発行
008◆五月の朝-北村太郎
コップがひかる
水がこぼれる
バターをパンに塗る
コーヒーいい匂い
新聞をつぎつぎに読む 放火!
愉快犯とは まったくすばらしい単語だ
三方の窓のそとでヒヨドリたちが
あまい声で啼くのもすてきだ
うん開港記念日だな あさって
ブラスバンドいっぱいの陽を浴びて
塩っからい堤防のマーチを街じゅうに轟かすだろう
とっても痛いめにあうところだったな
やました公園で この冬の夜
セコい中学生どもに蹴ころされたかもしれないのだぞ
茫々たる髪と過去をきげんよく整えよう
九時だ『悪の華』だ
この安藤元雄訳を午前に読む習慣はなんたる快楽!
どこかにあった一行〈いとしい女《ひと》は裸体だった
しかも私の心を知りぬいて〉
コーヒーいい匂い
ヤバいおもい
さんさんと 日は昇りつつある
いかなる情念にとりこまれようともゆるせ
かなたにひかる海よ
『笑いの成功』書肆山田刊より
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