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港のひと
港のひと・002・創刊2号
2002年5月20日発行
008◆未来うどん-嶋岡 晨
灰のふる坂道を
あえぎあえぎ走るのは 「未来屋」の
銹びた出前の自転車……
 
禿げ山の上の階段教室の
最終講義
ついに未知なる愛を語りつづける
老教授からも灰がふり
聞き入るキノコ耳のむれにも
 
せめて謝ってほしい 嘘ばかり
教えてすまなかった と
だが伸びつづける髯は椅子に絡み ひとり
人類の幸福は……と 入れ歯を鳴らし
 
へい お待ち遠ォ……教壇の上に
岡持ちを置き 幽霊は走りさる
灰のふる新世紀の傾斜面
 
ああ 秋の夕暮れのつぎはぎの地平
世界の最後のいっぽんの
「うどん」をすすりこむ
その音のかなしさ。
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