『星吐く羅漢』
星吐く羅漢
江崎満
四六判/上製本/糸かがり/カバー装/本文233頁(うちカラー12頁・版画12点所収)
2,600円(本体価格・税別)
  ISBN4-88008-287-2 C0095
新宿書房
 
・・・書評
 石川県奥能登に腰を据え、農作業の合間に版画を作り、手作りの窯で焼き物をする。従来の芸術界とは無縁の世界から誕生した破天荒な版画家、それが江崎満です。今まで日本各地で個展を開いてきたが、そのたびにいつも、江崎の周りには作品に魅了された人が作る温かい輪ができます。
昆虫たち、ふくろう、かえる、木々、田圃の稲、畑の白菜などが画面いっぱいに飛び回る江崎の版画作品は、まるで今さっき土から生まれてきたような生々しさをたたえています。彼の作品に接すると、自分自身の心臓の鼓動がこんなにも力強かったか、自分の血はこんなにも熱かったかと、体の火照るような思いがします。また、般若心経の一節や羅漢も多く登場するが、どれも、人間とは本来祈るものであるということを思い起こさせてくれます。
この本は、そんな版画家、江崎満が2年をかけて書き下ろした、ファン待望の初めてのエッセイ集。禅寺を取り囲むようにして数家族が暮らすという独特な生活のこと、農薬を使わない米づくり、障害を持って生まれた息子のことなどを語る、飾り気のない言葉。悩み、ぶつかりながらも、まっすぐに生きようとする姿は胸を打ち、少年のように好奇心で目をキラキラさせながら、山を駆け回り、海で潜る姿は微笑を誘います。
うわべだけの自然礼賛に不信感を抱き、世の中のいびつさに虚無感を禁じ得ない、そんな人にぜひ手にとってほしい本。江崎満のことばは、きっと熱い何かを注ぎ込んでくれます。
■著者紹介/ 江崎満(えざき・みつる)
1952年、広島県江田島生まれ。京都、横浜暮らしをへて、現在、石川県の奥能登山中に腰をすえて百姓仕事に精を出し、版画を制作、薪窯で焼き物作りに励む。毎年、東京・大阪・奈良・山口・博多など各地で個展を開催し、人気を得る。ゴツゴツとして躍動感にあふれ、ぬくもりのある作品は多くの人の心をとらえて離さない。著書に『銀河国よろみ村 いろはにほへと』(架空社)
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