『連作・志摩 ひかりへの旅』
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■「夏の暦」より
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老女の雨垂れのような記憶は
緯度も経度もない地図の上に取り残されたまま
ただ よきものとしての大宇宙
田だけが老女の脳の中で
濡れ濡れとした大亀の甲羅へと変身していく
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■後記より
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 タイトルに「連作・志摩」とあるのは、詩編の多くが志摩半島に関するものであり、そこでの生活が基となっているからである。年中柔らかな光に覆われた半島の隅々を、目に見えないものたち、?み得ないものたちが絶えず通り過ぎる。その瞬間、光はなにか生き生きした、そして艶めかしいものとなって私の体にまといつく。土地の光や空気は私にとって、半島でのもうひとつの衣服のようなものであった。
 その衣服を着てこの詩集と向き合うとき、半島の鳥の羽ばたき、小さな植物たちも一緒に輝く。
 なんといっても、いとしく、うれしい詩集となった。
 
■目次
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I志摩 春から夏へ
 雨の半島
 神楽の春
 ひかりへの旅
 しりとり─spring way
 あと百年
 シャララ 夕陽が落ちる
 ヤマツツジの丘が燃えている
 真昼の月
 あのタヌキ
 螢への伝言
 夏の松明
 水晶の枕
 夏の暦
 夏送
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IIネヴァー・ネヴァーランド
 猫くらいの愛
 春の挨拶─Yへ
 ぐずついた一日
 帰り道
 台所の海
 トウキョウガホロビテモ
 遠い窓辺
 昔、アカシア
 夜の鳥図譜
 名の生誕
 メノウ─水の夢
 ルーシーの青空─サイレンス
 死都ブリュージュの水
 どこにも閉じたところがない夜に
 呼び交わすもの
 ネヴァー・ネヴァーランド
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III志摩 秋から光へ
 崖
 リアス・リアス
 まぼろしの馬
 秋のうた
 渡りのものへ
 カラスの巣の下で
 R=残酷な食卓
 貝の奈落
 その種族
 海への供物
 冬の旅
 虚無の岸辺はどこまでも
 鳥を呼ぶ日
 ある夜の音楽
 母は舟のように
 金色の午後のこと
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後記
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