header
『四月と十月文庫6 僕は、太陽をのむ』
本書の詳細

戻る
■本文より
spacer
おお、小倉の街よ (ある雑誌に郷里について書いた詩)



おお、小倉の街よ。

石飛、また工場の帰りに角打ちで一杯やっているのか。
丸くなった腹を自慢しているんだろう。
おまえは高校時代は野球部のエースだった。
丸刈りで、授業中は寝てばかりしていたな。
知っている人はいないだろう。

おお、小倉の街よ。

父さんは今日も、ぬか床をまぜているだろう。
サンショと赤唐辛子のきいた、
あの、きゅうりのぬか漬け。
母さんのなすびのみそ汁。
いつだって食べたい。
めしを腹一杯かきこみたい。

おお、小倉の街よ。

順二、教頭就任おめでとう。
いたずら坊主のおまえが、立派になったなぁ。
いたずら教頭なんて呼ばれないように気をつけろ。
『四月と十月』は今年で八年目だよ。
お互い、いくつになっても絵筆だけは手放すまいな。
……(以下略)
spacer
 
■目次
spacer
私の絵のために
ある春の記録。ヴェランダの「牧野めじろ園」の開園から閉園の頃。二〇一一年
古家と長屋アトリエ
美術館での模写
ウエハース
「黒ダイヤと労働歌」について
アオスジアゲハ
たまねぎ絵の具
ある日
ある日のメモ書き
ゆらゆら酒
冬の日
名刺
蓑虫の家
見物人
この方面は、あるかもね。
音楽を描く
銀座での個展
便器との対話
おお、小倉の街よ
足立山
喫茶セザンヌ
ビールジョッキに木片を浮かべて凍らせる
君たちが絵を描いているときも、地球の裏側では、羊がのんびりと草を食んでいるんだよ。
spacer
跋文「あの頃のわれらは」葛西 薫
spacer

図書出版・編集企画
港の人(みなとのひと:minato-no-hito)
〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-11-49・phone: 0467(60)1374・fAX: 0467(60)1375