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『チランジア』
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■ 本詩集より
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「乾きを乾かす」

時代が乾きを拡散する力が急速に高まっている
底無しの口をもつモンスターの呼気で
蜘蛛が虚空に張ったネットワークで
電波で伝播していく
でんぱででんぱして
でんぱででんぱして
でんぱででんぱして
ドライドライドライと音を立て
搔痒しながら次々に乾き崩れる人々
もともと人でしかなかったうえにもう人ではない
乾きを拡散するために微細な粒子になって散っていく

乾きは 私を覆う表皮をかさつかせる
乾きは 私の喉や気管をひりつかせる
乾きは 私の消化排泄をとどこおらせる
乾きは 私の虚しい作業の効率を下げる

高温で熱したら根絶できるかもしれない
乾きを燃やしたらきっと
黒い煙を盛大に出した後に
気持ちのいい真空になるだろう
そしてすべてが終息する
恍惚として終息にあこがれた私はきっと
自分のことを私だなんて
二度と名乗れなくなるけれど
しゃべることはもう
言葉にならないけれど
すべて気持ちいい
ひたひたの真実になるだろう

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■目次
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dis-community
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動物の園
轢かれに行く
非在階段
シュガーポット
最終回/td>
重荷配り
ぬるい雫
海面の後悔
半身やぐら
遠い足 近い石
椅子
人生を棄てるスケジュール
ひきしお
うらみの径
乾きを乾かす
幸福な廃墟
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dis-communication
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わたしの肉
散花
火の独楽
わたしたちの生態
骨のように
山椒
隧道
飛翔幻影
恋する物質
死ぬまで一緒に
君のかけらと贋日記
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communications
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夜へ
言霊は夜に飛ぶ
スケアクロウ
紙礫
究極の不幸の手紙
言の寺
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