header
『ほとんど見えない』
本書の詳細

戻る
■ 本書より
spacer
両手の中に顔を埋めよ
わたしたちは川を横切り、風は麻痺させる冷気を放ち、わたしたちはそれを従順に受け入れ、もはや与えられるもの以上を期待していなかったし、この場所になぜ来る羽目になったのか悩みもしなかったので、何事も想定通りにならないことを、気にもかけなかった。霞の中で生きているわたしたちは、それを晴らす方法は全くなく、いつそうなったか知る方法もない。沈黙する雪の思考は、それを突き刺す前に突然溶ける。わたしたちがどこにいるのかは、解明されない。行先不明の入口は増え、現在はひどく遠い、遠く深い。

spacer
 
■目次
spacer
盲目の女たちの売春宿の銀行家
両手の中に顔を埋めよ
どんな場所でもどこかにある
寝室での調和
不在の明白さ
文科省大臣、願いを果たす
郷愁の老齢
夢の睾丸、消えた子宮
説明不可能な研究家たち
毎日の音楽の魅惑
詩人の埋もれた憂鬱
これから数百年先であろうとも
日没時の消耗
九月の光ではっきりと
きみはここからいつでもそこに行ける
庭の絞首台
ランプの灯りのそば、愛のシルエット
無限なるものの勝利
異様な手紙の神秘的到着
スペイン詩人の詩
微小なるものの謎
旅の夢
暗がりの緊急治療室
かつて、ある寒い十一月の朝に
暫定的永遠性
世界の果ての通り
ニーチェ風砂時計あるいは未来の不幸
もはや語る必要のない出来事
短い讃辞
隠遁の憂鬱
テグシガルパからの手紙
トピーカでの神秘と孤独
なすすべはない
どんな言葉も説明できない
死後に
キーウェストでの虚しい行為
わたしの病気の隠れた美しさについて
星だけがわたしたちを導く
ポカテロでの苦難
風に運ばれる一枚の葉のように
ソーシャルワーカーと猿
わかりきったことを誰も知らない
あの小さな足と不快な手
偉大なるものを見逃さないこと
月を愛した男の夜想曲
新しい永遠の大きなダンスホールで
わたしが百歳になったとき
spacer
解説 マーク・ストランドとその詩
spacer

図書出版・編集企画
港の人(みなとのひと:minato-no-hito)
〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-11-49・phone: 0467(60)1374・fAX: 0467(60)1375