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『小川未明 人と童話  上笙一郎児童文学研究』
小川未明 人と童話  上笙一郎児童文学研究
上笙一郎
加藤理、尾崎るみ
A5判/上製本/カバー装/口絵写真4頁、本文248頁
2500円(本体価格・税別)
  ISBN978-4-89629-335-7 C0095
 
■本書の特色
◎2015年に急逝した児童文化・児童文学研究者、上笙一郎追悼集。在野の研究者として、斯界に偉大な足跡を遺した上笙一郎の研究業績を顕彰する。
◎上笙一郎の代表的な研究である小川未明研究の論考(5篇)を掲載。小川未明は、上笙一郎が児童文学に開眼する契機となった大事な人物であり、小川未明の世界に迫る民俗学や社会経済学などの視点をとりいれた独自の研究姿勢はダイナミックであり、意義深い。小川未明童話研究の基本文献となる。
◎巻末に、解説「上笙一郎という〈宇宙〉」(加藤理)、「上笙一郎年譜」「上笙一郎著作目録」(尾崎るみ編)を収める。上笙一郎の研究を継承し、発展させるために、基本資料を提供する。


■小川未明研究の論考(5篇)について
1、「未明伝」
上笙一郎児童文学研究の特色である民俗学や社会経済学等の知見、研究方法を援用した、上笙一郎児童文学研究を代表する評伝。

2、「戦後の小川未明の思想」
大正時代にアナーキズムの立場に身を置いていた未明が、戦中期には皇道主義者となり、そして戦後は一転して民主主義者になったその思想的変遷について、未明の内部に潜む天下国家意識にその因を求めて論じた文章。

3、「未明童話の本質―『赤い蠟燭と人魚』の研究」
「児童文化や教育などの関連領域は申すにおよばず歴史・経済・政治・社会・芸術などについての教養」をもとに、「児童文化的パースペクティヴの整った児童文学研究」の一環として論述したところに上笙一郎の研究の特長があるが、『未明童話の本質』は、そうした上の研究を代表する著作であると同時に、『光ほのかなれども』と並んで上笙一郎が遺した研究の双璧とも言える研究。

4、「「牛女」にみる北国の女性―小川未明と新潟県」
新潟越後に暮らす女性が強いられた過重な労働と、その苦しみに耐えて生きるしかなかった越後女性の社会的地位について、民俗学や社会経済学、生活文化史を援用しながら論じている。

5、「二つの児童文学について―芸術的児童文学と大衆的児童文学」
近代日本の児童文学を「芸術的児童文学」と「大衆的児童文学」二つの流れからとらえようとした論考。その際に、芸術的児童文学の代表を小川未明、大衆的児童文学の代表を押川春浪とし、両者を比較する中で日本の近代児童文学の中に見られる思想について考察し、児童文学の本質に迫ろうとしている。


■著者紹介
上笙一郎◎かみ・しょういちろう
1933年埼玉県飯能市生まれ。本名、山崎健寿。文化学院卒。在野の研究者として、児童文化・児童文学研究に生涯を捧げた。2015年1月29日逝去。主著に『日本童謡事典』(編著、日本童謡賞、三越左千夫少年詩賞特別賞)『日本児童文学研究史』『日本児童文学学会四十年史』等多数。妻、山崎朋子との共著に『日本の幼稚園』(毎日出版文化賞)『光ほのかなれども』(日本保育学会保育学文献賞)ほか。弊社刊行の『初山滋奇人童画家』が遺作となった。

■編者紹介
加藤理◎かとう・おさむ
1961年宮城県仙台市生まれ。文教大学教育学部教授。博士(文学)。早稲田大学教育学部、早稲田大学大学院文学研究科教育学専攻に学ぶ。児童文化を視点の中心にしながら、子どもと教育の歴史、子どもの育ちについて研究。『「児童文化」の誕生と展開―大正自由教育時代の子どもの生活と文化』(港の人、2015)で第39回日本児童文学学会賞受賞。著書に『〈めんこ〉の文化史』(久山社、1996)『消費社会と子どもの文化』(共編著、学文社、2010)『叢書 児童文化の歴史』全3巻(共編著、港の人、2011~12)『ポスト三・一一の子どもと文化―いのち・伝承・レジリエンス』(共編著、港の人、2015)ほか

尾崎るみ◎おざき・るみ
1957年東京生まれ。白百合女子大学非常勤講師。博士(文学)。白百合女子大学大学院文学研究科児童文学専攻修了。明治期を中心に日本の児童文学を研究。『若松賤子―黎明期を駆け抜けた女性』(港の人、2007)で第31回日本児童文学学会奨励賞受賞。編著に『若松賤子創作童話全集』(久山社、1995)、共著に『日本のキリスト教児童文学』(国土社、1995)『日本児童文学史の諸相 試論・解題稿』(白百合女子大学児童文化研究センター 2003)などがある。日本児童文学学会会員。日本キリスト教文学会会員。キリスト教史学会会員。

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